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「いちご塾」閉塾式で今後の目標掲げる/あいち三河初の卒業生/JAあいち三河

2020/03/13

 JAあいち三河は3月11日、イチゴの新規就農者育成を目指し取り組んでいる「いちご塾」の閉塾式を行いました。塾生や行政、JAの役職員ら18人が参加。塾生が独り立ちを見据えて今後の目標を掲げました。
 「いちご塾」は、高齢化などによるイチゴ農家の担い手不足や生産量減少といった問題を解消するために、JAが2018年から開始した新たなプロジェクトの1つです。塾生が定植から収穫までの一連の流れを学ぶ場として「いちご生産拠点研修農場」を2019年10月に建設。同研修農場は、栽培する位置を腰のあたりの高さにして作業をしやすくした高設栽培施設の2,304平方㍍の丸型ハウスです。担い手増加を目的に農業施設を建設したのはJAあいち三河が愛知県下で初。今回の塾生が最初の卒業生となり、今後はJA管内の空きハウスや来年度建設予定の「いちご団地」へ入り独立します。「いちご団地」は10㌃のハウスを4棟設けた栽培施設で、同研修農場とあわせて新規就農者の育成、定着や規模拡大を図るため、JAが岡崎市に建設する予定です。
 塾生の鴨下里美さんは「いちご塾で学んだ知識を活かし、毎年安定した量を生産できるようにしたい。早く自分流の栽培方法を見つけ、産地の活性化に貢献したい」と目標を話しました。
 JAの天野吉伸組合長は「毎年変わる自然環境などに悩むこともあると思うが、周りの農家やJAに相談し、美味しいイチゴをたくさん出荷できるよう努めてほしい」と話しました。
 イチゴはJAの主力品目の1つで、岡崎市と幸田町の約16㌶で生産しています。生産者は68人、販売高は10億円を超え、JAの農産物販売高の約3割を占めています。しかし、2014年に県が行った分析では10年後に生産者が46人にまで減少すると予測され、生産力の衰退が問題となっています。JAではプロジェクトを通じ、毎年3人、10年で30人の育成を目指しています。

写真=修了証を受け取る塾生㊨と天野組合長(11日、JA本店)